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秩父蒸留所訪問 第1蒸留所【地酒のさせ酒店/国産ウイスキー/2021.5.21更新】

ベンチャーウイスキー秩父蒸留所見学 令和3年5月13日

コロナウイルスで混乱が続く中での訪問となり少人数、車での移動
マスク着用、消毒と感染予防を徹底しての訪問となりました。
残念ながらコロナ感染予防としてテイスティングは行えませんでした。

まずは蒸留所に行く前にお勧めの蕎麦屋さんをご紹介致します。自然豊かな秩父蒸留所なので近くにご飯を食べられる場所が少ないのです。

『はしばそば』
https://tabelog.com/saitama/A1107/A110704/11005568/

秩父蒸留所との距離は車で5分~10分と近いです。
香りを楽しむタイプのそばではなく、つるつるの喉ごしの良いお蕎麦です。
どちらかと言うとラーメンのつけ麺的でラー油の味変も楽しめます。
プラスワンのキンピラも独創的、券売機もラブリーです(笑)

さて久しぶりの秩父です。楽しみすぎて勿論寝れずに寝不足です(笑)
お約束時間の少し前にについたので駐車場で待つと『肥土伊知郎社長』が車で登場!
8年前には気軽に色々質問出来ていましたが、今では顔を見ただけで緊張と自分の気の小ささを痛感(笑)

手見上げのオランダ屋『落花生パイ』をお渡しして見学スタート

秩父蒸留所の現在のコンセプトは『Back to the basic』で基本に戻る。

先ずはモルティングハウスやキルンの場所を教えて頂き、

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麦芽を粉砕するミルを見学です。
19年10月に稼働を始めた第2蒸留所の自社での差別化で第1蒸留所では国産麦芽を多く使用していくとの事です。
ハスク、グリッツ、フラワーと2:7:1が世界的な平均値ですが、秩父蒸留所の平均は3:6:1との事です。
それでも麦芽の種類や状態をみて毎回毎回微調整を行います。
一回の麦芽使用料は400キロ※第2蒸留所は2トンで5倍です。

粉砕した麦芽を糖化槽に移しお湯を入れて糖化させます。
お湯と粉砕した麦芽を混ぜると麦芽の酵素が働き、澱粉が糖化します。
3回に分けて糖化を推進させます。回数を追うごとにお湯の温度を上げて無駄なく糖化した麦汁を採取します。
ハスク、グリッツ、フラワーで作られる自然的な濾過を行いますが第1蒸留所では糖化槽にカッターがついていないので
目詰まりが起きた際には棒で突っついて回避します。
創業当時は資金が潤沢ではない為にカッター付きの糖化槽は設置出来なかったとの事です。

採取した麦汁をミズナラ製の発酵槽に移しディストラリー酵母※乾燥酵母を添加し約4日かけて発酵させます。
ジャパニーズウッドと呼ばれるだけあり世界的にも珍しいミズナラの発酵槽です。
木に乳酸菌が住み着き独自の風味を与え、秩父ならではのもろみが出来ます。
アルコール約7度のウオッシュが出来上がります。

そしてポットスチルの蒸留です。秩父蒸留所ではフォーサイス社の蒸留器を使用。
銅の渋く光る加減と形状が何度見ても美しい。家に欲しいです(笑)

左の初留釜で温度を上げアルコールを気化させ首の部分を通過させ冷却装置で冷やされた液をローワインと呼びます。
秩父蒸留所では間接蒸留方法を採用しています。7度位だったもろみも約3倍のアルコール度数となります。
※蒸留器内にコイル状のパイプが入っており、そこに蒸気が流れてもろみを加熱させます。

そして右側の再留釜で再蒸留しヘッド、ハート、テールに分類されます。
テイスティンググラスで香りをチェックしましたがヘッドはやはり最初に揮発するエステル系の香りが強いです。
ハートは樽で熟成させる一番重要な部分となります。
香りだけではヘッドの部分も熟成させると面白いと思うのですが、やはり味わいがライト過ぎるとの事です。
秩父蒸留所では手動でミドルカット(ヘッド、ハート、テールの3部分)に分ける人間感覚に頼っています。
又、ヘッドとテールは次回のローワインに混ぜて再蒸留して有効なアルコールは無駄なく抽出します。

そしてウイスキー造りで一番と時間を費やすのが熟成です。
ウイスキーと言えば樽熟成ですが、その多くはバーボン熟成に使用した樽が多く流通しています。
バーボン法で新しい樽しか使用できないので不要となった樽を他国に流通させる仕組みとなっています
又、樽熟成の起源は密造酒との事です。元々は透明な蒸留酒を飲んでいましたが密造酒を隠すために樽を使用したら旨かった(笑)
樽からウイスキーに移行するリグニンやタンニンを自然と感じられていたんですね。
秩父蒸留所は現在第7貯蔵庫までありますが第7以外は全て地面むき出しのダンネージ式を採用しています。
秩父の気候を土から外気から自然に樽に影響を与えます。ミズナラの発酵槽も含めて秩父唯一無二の味わいが生まれます。

バーボン、シェリー、ラム、ワイン等様々な樽で熟成を行います。
新樽、古樽、何を貯蔵していた樽なのか貯蔵するウイスキーの度数等、様々な要素を考え熟成後を思い描き樽詰めします。
秩父蒸留所原酒同士をヴァテッドさせ一定の期間なじませる為に使用する木製マリッジタンクを所有しています。
ワインウッド、ミズナラウッド、ダブルディストラリーのリーフシリーズがそれです。
天使の分け前も年間3%から5%と樽のサイズにより異なります。小さい樽ほど液体と触れる表面積が増えるのでアルコールの揮発が早まります。
様々な樽、ヴァテット、熟成期間、はたまた他蒸留所との原酒交換や樽交換と無限大な可能性をウイスキーは持っています。

『次号は第2蒸留所をご案内致します』

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させ酒店

代表取締役社長の佐瀬伸之と申します。

東京農業大学醸造学科にて酒を学び、酒問屋の営業として働いていましたが、自らが旨いと思う酒を売りたくて、伝えたくて家業の酒屋を継ぎました。

大学の先輩、後輩の酒と情熱を感じる酒をメインに販売しております。

季節ごとに旬な食材があるように、酒にも旬がございます。
季節ごとに旬な食材と酒を楽しめたら、一年間が楽しくなります。
そんな提案が出来る酒屋を目指して日々精進しております。
今後とも宜しくお願い致します。